10/22/2019 0 Comments AI探し

Look for AI VOL.3 【AIの普及が失業者を増やすって本当??】


こんにちは!dl4motion PJの広報を担当しておりますOrdinary kato です!
AI開発チームの一員でありながら、AI技術についてはごく一般的な知識しかない私が「普通の人の目線」で書いているブログです。
さて、前回の大阪・梅田探訪編では実験的なAI技術に触れる体験をしてきましたが、今回はすでに私たちの暮らしにつながる場所ですでに導入されているAIを探してみました。いわゆる現場のAIということですが、果たしてそれらは人間の仕事を奪う“敵”なのでしょうか??

AIって怖いの?!

近年、AIという単語は頻繁にメディアに登場し、IT系ではない人同士の会話でも話題になるようになりました。とはいえ、みんながAIについて正しい知識があるわけではなく、なんとなくぼんやりとしたイメージで捉えている人がほとんどでしょう。

それだけに
「AIが発達すると社会が乗っ取られるのではないか?」「今まで人がやっていた仕事をAIが取ってしまい、失業者が増えるのでは?」「AI怖い」
そんなふうに根拠もなく脅える意見を多く耳にします。
しかし、ほんとにそうでしょうか?AIの発達は人類を凌駕する敵になってしまうのでしょうか?

農業の世界で活躍するAI

すでに本格的に業務に取り入れられているAI技術について調べてみると、まずは「農業」が引っかかってきました。わかりやすい例として、Panasonicが開発している「AIを使ったトマト収穫ロボ」があります。

channel.Panasonic 「トマト収穫ロボット」

搭載された距離画像センサーとカメラによって、トマトの色や形、実っている場所を特定。センサーやカメラから得た情報を元に、AIが収穫に適した実だけを判断し、トマトを傷つけないようにうまく収穫します。ロボットなので、暑さ寒さにも強く、最近の猛暑による重労働作業から農家の方の負担を和らげることに成功しています。夜の稼働も可能なので、長時間の作業にも耐えられるため、収穫率のUPにも貢献しています。
これらの作業経験はさらにディープラーニングによって正確性&効率UPが見込まれているそうです。

その他、農業用に開発されているAI事例として、「キュウリの仕分け作業ロボ」というものがあります。これはキュウリ農家の小池さんという方が個人で開発した、キュウリの選別から箱詰めまでをしてくれるAIロボです。

Google Japanチャンネル「AIで創る未来 – 農業を次世代につなげるために。ある農家の挑戦。」

キュウリは野菜の中でも形状に大変差ができる野菜です。曲がり方もかなりさまざまですよね。今まで仕分けは手作業でやってきましたが、経験や知識がないとできない作業で、時間もかかる重労働となっていました。なにより、目視での選別は人によって基準にバラツキができてしまうことも問題で、人を雇うにもリスクがついてくるということでした。小池さんは選別をしているお母さまの負担を少なくしたいという想いから、エンジニア経験を活かしてご自分でAI技術の開発をしたということです。

この2つの例のように、作業従事者の高齢化や過疎などによる労働力不足という悩みを抱える生産現場(特に農林水産業)での課題解決の手段として、AI技術が活かされていますし、おそらく今後はもっと導入がすすむのではと思われます。

難易度の高い技術継承のために

農業だけでなく、工業系はもちろんですが、こんなところでも人手不足に悩まされているようです。徳島阿波おどり空港に導入されたのは、「ボーディング・ブリッジ自動装着AIソリューション」というPanasonicのAI技術。

channel.Panasonic「世界で初めての航空旅客搭乗橋自動装着システムの実用化に AI技術で貢献するパナソニック」

飛行機に乗る方にとってはごく普通に見かける光景ですが、かなり正確性を求められる、誰もができる作業ではないのです。航空機に搭乗橋(ボーディング・ブリッジ)をつなげる作業ですが、航空機ごとに異なる形状が違うため、作業のたびに細かい位置調整が必要になります。
AIによりこの形状や航空機の塗装の違いを画像認識し、さらにその時の天候や日の当たり方など、さまざまな画像を学習。その時に収集したデータをディープラーニングによって判断した結果をもとに、搭乗橋が航空機ドアの10cm手前まで自動接近します。この作業の熟練者でなくても、ボタン1つで精度の高い作業が可能になることで、定時運行の維持と、空港業務を支える人手不足、操作訓練に必要な時間の短縮など、多くの課題解決に役立っています。

より多くの凡例から診断の精度を上げる医療AIシステム

医療の現場でも医師の経験不足を補うことができるAIシステムの導入が話題になりましたね。例えば患者から採取したがん細胞や組織の画像をAIによって解析。がんを判定する診断支援AIシステムの試験運用が一部の病院で始まっているようです。
また、がんだけでなく、さまざまな症例のデータベースがあれば、夜間や救急時の当番医などが、専門外であろう症状で駆け込んできた患者さんに、早く、間違いの少ない対応ができるようになるはずです。医療現場に導入されるAIは、診断の精度を上げ、効率化と医師の負担軽減にもつながるでしょう。

AIは人手不足の解消や、習得の難しい知識を可視化して共有するために有効な技術

こうした導入事例からわかるAIの影響は、下記の通りです。

  • 高齢化が進む農林水産業においての人手不足問題や過酷労働の緩和
  • 職人のもつニッチな知識や特殊な技術を可視化してそのノウハウを共有。さらに維持や伝承ができる。
  • 膨大な医療データを活用して、より正確に診断をするなど、医療現場での課題解決

就労を希望する人が少ない仕事や、難しい技術や知識を伝えていくのが難しい仕事の場合、AIを導入することで人の仕事が奪われるのではなく、むしろその仕事を続けられるようになるんですね。また、過去の膨大な事例を基に正確に判断する、危険な現場で作業をする、など、人間ではできない仕事や危険な仕事を問題なく遂行できるという利点があります。

そう、AIは“敵”ではありません。私たちの暮らしを助けてくれる“味方”として、今日もどこかで黙々と仕事をこなしていることでしょう。

さて、並行して発信していく、コンピュータグラフィックス、ユーザインタフェース分野の研究者五十嵐先生の記事はこちらから。かなりディープな技術寄りの話を読みたい方はAI技術エンジニアの記事へ!

Ordinary kato(加藤良子)

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フリーランスライター。グルメ系からラグジュアリー系、最近はテック系のライティングも多数手掛ける。「美味しいお店・素敵なお店」を探し当てるのが特技だが、今PJでは「マチナカAI探し散歩」にハマっている。
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