10/26/2019 0 Comments AI

いろいろな種類の人工知能


Yuki Igarashiです。

前回は、人工知能が私たちの生活や身の回りの機器にも当たり前に入ってきた話をしました。

そもそも人工知能とは何かという定義も、研究者や開発者によって微妙に異なります。

IT用語辞典には、

人間にしかできなかったような高度に知的な作業や判断をコンピュータを中心とする人工的なシステムにより行えるようにしたもの。

とあります。

例えば冷蔵庫に搭載されている人工知能といっても、「○度になったら冷却を強くする」といった簡単な制御プログラムの人工知能もあれば、人間が献立を相談すると、「今日はハンバーグはどうですか?」と献立を提案してくれ、ユーザと対話しながら家事をサポートしてくれるような高度な人工知能もあります。

また、人間の持つ知識をプログラムとして機械にあらかじめ教えておくことで、知識のない(そのことについて知らない)ユーザに答えを提供してくれる人工知能もあれば、ユーザの入力やデータからパターンとルールを覚え、学習していく人工知能もあります。

このようにいろいろな人工知能ですが、姿形も様々です。家電製品にソフトウェア的に組み込まれているものや、ロボット型をしたものまであり、「ロボット=人工知能」ではないこともわかっていただけるのではないでしょうか。

ちなみに私は、初心者には知識がなくてできなかったことをコンピュータで支援する研究をしています。便利に答えを提供してくれる簡単な人工知能システムとして、手芸分野のぬいぐるみ制作の例をお伝えしたいと思います。

オリジナルデザインのぬいぐるみを作るためには型紙作成の知識が必要

オリジナルなぬいぐるみを作るためには、外形のデザインだけでなく、その対応する平面の型紙を設計する必要があり、通常はパタンナーと呼ばれる専門家がデザインしたものが制作キットとして販売しています。なので、子どもたちが「自分だけのぬいぐるみを作りたい!」と思っても、なかなか立体的なぬいぐるみの型紙をデザインすることは難しい作業です。

ここでぬいぐるみを考えてみると、布のパーツそれぞれを縫い合わせてできていて、それぞれのパーツはゆがみなく平面に展開されるような、数学的には可展面(展開可能な面)と呼ばれる面の集合であることを利用して、コンピュータで設計を支援することができます。子どもたちがタブレット等に線を描くと、コンピュータはその描かれた線を入力として、児童的に計算をして可展面の集合になるような立体ぬいぐるみモデルをシミュレーションで作り、対応する型紙をシステムが作ってくれます。(ぬいぐるみデザインシステムPlushie(プラッシー)の論文はこちら

ぬいぐるみデザインシステムPlushieでは自動的にぬいぐるみになるような立体に成形してくれる

子どもたちがオリジナルなぬいぐるみをデザインしたワークショップの例

ちなみに、「シンギュラリティ(技術特異点)」という、人工知能自身が学習して発達し、人間の知性を超える転換点を指す言葉もあり、様々な未来が研究者によって予測されています。そして、これは100年後や200年後といった未来の話ではなく、2045年といった、たった30年後だと言われています。

情報処理学会学会誌「情報処理」の2015年1月号には特集『人類とICTの未来:シンギュラリティまであと30年?』が組まれており、さまざまな研究者の予測する未来を電子図書館で読むことができます。(発行後2年が経過したものはオープンアクセスとなっており、非会員でも無料でPDFで学会誌を読むことができますので興味のある方はアクセスしてみてください。)

 

Yuki Igarashi(五十嵐悠紀)

profile
コンピュータグラフィックス、ユーザインタフェース分野の研究者。子育て中の母でもある。
著書に『AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55』(河出書房新社)、『スマホに振り回される子 スマホを使いこなす子 (ネット社会の子育て)(ジアース教育新社)、他。

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